新患等の予約外患者対応について

 泌尿器科の外来診療は、原則として予約診療となっております。

 現在当科では、予約時間通りに診療ができないことが多く、患者の皆さまにご迷惑をおかけしております。多くの患者さんが当院当科を選択し、受診されることは大変ありがたいことです。そして、日本の診療は広く公平に行うことを旨としており、診療受付時間内に受付された方については、受け入れをお断りすることは、しておりませんでした。しかしながら、それに伴う長い待ち時間は、患者さんへの肉体的・精神的ストレスとなり、適切な医療提供が行えているとは言えません。そこで当科では、予約外の診療をお断りすることといたしました。予約外で来院された方には、当科の窓口にて診察予約(初診・再診問わず)をお取りいただき、一度帰宅していただくことにいたします。(但し、通院中の患者さんの状態変化に対する診療や緊急の対処・処置が必要な急患についてはこの限りではありません。)

 患者さんや先生方にはご迷惑をおかけいたしますが、当科の外来診療の適正化にご理解とご協力をお願いいたします。

泌尿器科の特徴

 神鋼記念病院 泌尿器科は、尿路生殖器腫瘍、尿路結石、尿路感染症、尿失禁、尿路奇形などの多くの泌尿器科疾患に対応すべく、最先端の技術を駆使して診療にあたっています。しかしながら男性不妊など一部疾患については、さらに専門性の高い施設での診療をおすすめする場合もあります。

 治療方針には多くの選択肢がありますので、患者さんやご家族と相談しながら、個々の患者さんに最も適した治療方法を導き出せるよう努力しています。

ロボット支援腹腔鏡下手術

 近年、多くの施設で手術支援ロボットが導入されています。当院でも2015年11月より導入を開始し、2024年1月に「ダビンチXi」という新規ロボットに更新し、より高度なロボット支援手術を行なっています。

前立腺がん

 以前は限局性前立腺がんに対する根治的前立腺全摘除術(開放手術)の多く行い、経験が豊富で良好な成績を残していました。2015年11月よりロボット支援前立腺全摘術を開始し、現在では ほぼすべての症例を当手術で行なっています。前立腺がんに対する根治的治療では放射線治療も選択肢の一つで、当院でも積極的に行っています。(外照射)ただし、当院では小線源療法、粒子線療法などの特殊な放射線療法は行っておらず、希望する患者さんには、その設備を有する施設をご紹介しています。

腎細胞がん(腎腫瘍)

 ロボット支援腹腔鏡下腎部分切除術が保険適応となる以前は、腎部分切除術は腹腔鏡手術で行っていました。2017年12月より、当院でも小径腎がんに対して、ロボット支援腹腔鏡下腎部分切除術を導入しています。現在では、小径腎がんに対する腎部分切除術は、ほぼ全例ロボット支援手術で行っています。また腎摘除術が必要な腎がんに対しても保険適応となったため、2024年よりロボット支援腹腔鏡下腎摘除術を当院でも導入することとなりました。

上部尿路上皮がん(腎盂尿管がん)

 前述と同じく腹腔鏡手術で行っていましたが、2024年よりは当院でもロボット支援腹腔鏡下腎尿管全摘除術を導入することとなりました。2024年以降、腎摘除術および腎尿管全摘除術は、ほぼすべてロボット支援手術で行う予定です。

副腎腫瘍

 本疾患に対するロボット支援手術も保険適応となりましたが、現在は腹腔鏡手術を継続して行っています。しかし、いずれロボット支援手術に移行する予定です。

浸潤性膀胱がん

 浸潤性膀胱がんに対する膀胱全摘除術およびそれに伴う尿路変更術としての小腸利用新膀胱造設術の症例の経験が豊富であることが、当院の特徴です。 国内で最も早く新膀胱造設術を行い、その経験を活かして、適応のある患者さんには積極的に実施しています。
また看護師や薬剤師など医師以外のスタッフも多くの手術を経験しているため、術後のケアも優れています。

膀胱全摘除術

 膀胱全摘除術のロボット支援手術は、現在当院では行っておらず、開放手術で行っています。施設基準などの状況が変われば、ロボット支援手術に移行する予定です。

尿路悪性腫瘍

 尿路悪性腫瘍に対する抗がん化学療法も積極的に行っています。当院には外来化学療法室があり、充実した体制を整えていますので、可能な患者さんには通院による抗がん化学療法も積極的に行っています。

ホルミウムYAGレーザーによる手術

 HoLEP(前立腺肥大症に対する経尿道的前立腺核出術)・TUL(腎尿管結石に対する経尿道的砕石術)

前立腺肥大症の治療

 2010年1月から前立腺肥大症に対するレーザー内視鏡手術(HoLEP)を導入し、2023年12月までに833例施行しました。その治療成績は症状改善と尿失禁等の合併症予防に優れ、その方法が日々更新改善され、症例を重ねています。当院泌尿器科の代表的手術の一つです。

尿路結石の治療

 尿路結石の手術としては、体外衝撃波結石破砕術(ESWL)と経尿道的尿路結石砕石術(TUL)、経皮的尿路結石砕石術(PNL)等を組み合わせて積極的に行っていましたが、現在ESWLは行っておりません。またPNLも状況に応じて実施していますが、近年は行っておりません。巨大な結石等で複数回の手術でも治癒しがたい結石患者さんは、結石治療の専門性が高い施設をご紹介しています。近年では、内視鏡手術が充実してきており、当科でのTULは治療成績も向上し、多くの患者さんに行っています。今後も継続して良好な治療を行っていきます。

 当院では、上記の治療に対し、豊富な経験をもつ優秀な他科の医師と連携し、 安全診療体制を整えています。

代表的な疾患

具体的な疾患について

所属医師のご紹介

山下 真寿男 部長
弘前大学 昭和59年卒業
取得資格
(専門医・認定医)
  • 日本泌尿器科学会専門医・指導医
  • 日本泌尿器内視鏡学会泌尿器腹腔鏡技術認定医
  • 日本内視鏡外科学会技術認定医
  • 泌尿器ロボット支援手術プロクター認定医
  • 医学博士
所属学会
  • 日本泌尿器科学会
  • 日本泌尿器内視鏡・ロボティクス学会
  • 日本内視鏡外科学会
専門
  • 尿路内視鏡手術・尿路感染症
結縁 敬治 部長
神戸大学 平成元年卒業
取得資格
(専門医・認定医)
  • 日本泌尿器科学会専門医・指導医
  • 日本泌尿器内視鏡学会泌尿器腹腔鏡技術認定医
  • 泌尿器ロボット支援手術プロクター認定医
所属学会
  • 日本泌尿器科学会
  • 日本泌尿器内視鏡・ロボティクス学会
  • 日本癌治療学会
専門
  • 尿路性器悪性腫瘍、骨盤外科手術
坂田 宏行 医師
岡山大学 平成29年卒業
取得資格
(専門医・認定医)
  • 日本泌尿器科学会専門医
所属学会
  • 日本泌尿器科学会
  • 日本泌尿器内視鏡・ロボティクス学会
小笠原 康貴 専攻医
神戸大学 令和3年卒業
取得資格
(専門医・認定医)
  •  
所属学会
  • 日本泌尿器科学会
  • 日本泌尿器内視鏡・ロボティクス学会
中村 稜 専攻医
神戸大学 令和4年卒業
取得資格
(専門医・認定医等)
  •  
所属学会
  • 日本泌尿器内視鏡・ロボティクス学会
  • 日本癌治療学会
  • 日本泌尿器科学会
  • 日本泌尿器腫瘍学会

診療実績

 泌尿器科の症例実績については、下記のPDFファイルをご覧ください。