4日間のオリエンテーション(合同研修)を行った後、各部署に配属となります。
配属後もさまざまな研修やプリセプターシップ制度などを通して支援を行っていきます。
- 1) 就業規則
- 就業規則および賃金、安全衛生について
- 2) 病院および看護部の概要
- 病院および看護部理念・方針、病院の組織、運営について
- 3) 教育
- 教育計画について
- 4) 接遇マナー
- 接遇とは、接遇からみる倫理について
- 5) 感染防止
- 感染防止の基礎知識、手洗いについて、標準予防策について、廃棄物の分類
- 6) 医療安全
- 安全対策について、針刺し事故防止について、患者確認、薬剤安全確認の6R確認
- 7) 看護記録
- 記録の概論、看護必要度、クリニカルパスとは、記録の実際
- 8) スキンケアについて
- 9) メンタルヘルスについて
感染防止
医療安全
教育専従師長を中心に、キャリア支援委員会、各部署の教育担当者(チーフリーダー)と共に研修計画を立案しています。 各部署では教育担当者(チーフリーダー)、実施指導者(プリセプター)を中心に新人教育を行っていきます。
入職後8週間はリアリティショックを軽減し職場に慣れるよう、3~4年目の看護師がプリセプターとして支援します。プリセプターは新人看護師が自立し、看護師として必要な知識・技術の習得をスムーズにできるよう、指導および相談を受けながらサポートしていきます。
さらに経験5年以上のアソシエイトナースが新人看護師とプリセプターが良い関係を保てるように支援していきます。
援助技術については、目標達成に向けてチーフリーダー、アソシエイト、プリセプターが協力して一年間支援を行っていきます。
新人看護師が臨床現場に順応し、基本的な臨床実践能力を習得することができるよう、新人看護師臨床研修を行います。
また、『新人看護師チェックリスト』を活用し、目的目標の到達状況を確認していきます。
●目的:
臨床現場への順応および基本的臨床実践能力の習得
●目標:
- 1.職場環境への順応
- 2.患者・家族・同僚・他職種との関わりを通してコミュニケーション技術の向上
- 3.良好な人間関係の構築
- 4.看護実践に必要な基礎知識・技術の習得
- 5.専門職として倫理観、基本的態度の習得
- 6.医療従事者の一員としての役割認識と責任ある行動の実践
- 7.医療安全の視点に基づいた行動の実践
神鋼記念病院看護部の新人育成へのこころがけ
- ・社会人としての自覚をもった看護師を育成する
- ・『看護のこころは愛』を大切にし、思いやりのこころ・態度をはぐくむ
- ・患者の立場に立った思考・行動ができる看護師の育成
- ・さまざまな患者に対応できる能力を育成する
スキルトレーニング
チーフリーダーをはじめスタッフの指導のもと、各部署での採血、皮下・筋肉注射、点滴(留置針)についての研修を行います。
スキルトレーニング
スキルトレーニング室
臨床工学士から輸液ポンプ・シリンジポンプについての説明を受け、実際に触れて使用方法をマスターします。
リフレッシュ研修
- ●4月、6月、7月、9月、3月に実施。
- 不安・緊張を共有し、自らのメンタルヘルスケアの維持向上できるように同期と話します。
コミュニケーションを深めながら親睦と交流を図るため、職場を離れ『院外リフレッシュ研修』を行います。これは毎年の恒例行事(6月)で灘の酒蔵巡りに行きます。ユニホームを脱いで青空のもと、酒蔵巡りをしながらの会話は弾み、楽しかったと好評です。
急変時ケア
急変時の初期対応と胸骨圧迫マッサージ、バックバルブマスクの換気、AEDについて講義と実践の実施を行います。
自己看護の振り返り
一年間の看護の中で印象に残った出来事を振り返り、レポートにまとめて発表します。
- レポート1:
- 清拭を拒否される患者さんに拒否の理由を聞いたところ「しんどい」「触ったら痛いしね」と言われました。痛みや苦痛を与えないようにと考えたが答が見つからず、先輩に相談したら、「看護の援助ってその人によって目的があって皆同じじゃないよね」「この患者さんはもともとお風呂が好きだったよね。そうしたら自分に何ができるかな?」と助言をもらいました。 入浴もタオルで擦るのではなく浸かることを提案したら、受け入れてもらうことができ、浸かったあと「気持よかったー」と笑顔が見られました。患者さん個々合った援助があることを教りました。
- レポート2:
- 入院退院を繰り返している患者さんに「治ると聞いたのに」「周りが頑張れと言うから弱い顔見せられない」「早く楽になりたいと思うことがある」等、いつも笑顔をみせていた患者さんが大きな不安を抱えていること分かった。
その時は患者さんの話に相槌を打ちながら聞くことしかできず、うまく言葉をかけることができなかったが、患者さんは「話を聞いてくれてありがとう。すっきりした」と言ってくださった。しかし、もっといい言葉かけがあったのではないかと悩んでいる時に、先輩が「話を聞くだけでも気持ちは楽になる。家族には言えないこともあるから、話を聴き不安な思いを軽くしてあげればいいのよ」「自分の思いを伝えられる人と患者さんが感じたから話して下さったのだから」と言ってもらった。
このケースを振り返り身体だけでなく心のケアを行うことの重要性に改めて気付くことができた。
- 1.コミュニケーション技術
- 患者・家族との良好な対人関係の構築
- 2.倫理研修
- 臨床における看護倫理を事例検討
- 3.まちの保健室
- まちの保健室活動を理解する。
- 4.褥瘡予防
- 褥瘡に関する基礎知識の習得
- 5.ポジショニング
- 褥瘡予防に効果的なポジショニング方法の習得
- 6.安全対策
- 事故事例を検討し、事故防止を意識した行動の実践
- 7.薬剤の基礎知識
- 救急薬品・急変時に使用する薬剤とハイリスク薬品についての知識の習得
新人看護師は職場に慣れるまでの半年間、名札に黄色のリボンシールをつけています。
他職種の職員には、新人看護師に分かり易く説明・指示をしてもらえるよう、協力をお願いしています。