乳腺科 / 乳がん看護WEB相談室 第1回

乳がん患者さんからのご質問

 こんにちは、乳がん看護認定看護師の高岡 貴子です。乳がん看護相談において患者さんからよく聞かれる質問や不安にお答えしていこうと思います。
 WEBの第1回目は当院、栄養部の高木さんに、食事・栄養についてお話を伺いました。食事に関する様々な疑問にお答え頂いたので是非、参考にしてください。


Q:乳がんの患者さんは、40代~50代が多いですが、カロリー摂取の目安を教えてください。(年齢に応じたカロリー摂取の目安を30代~80代くらいまで教えてください)

A:厚生労働省が提示している『日本人の食事摂取基準2020年版』では、推定エネルギー必要量(kcal/日)という形で下記の様に示しています。

身体活動レベル Ⅰ(座位が多く、外出が少ない) Ⅱ(座位が多いが、立位で家事などを行う) Ⅲ(移動や立位が多い)
30~49(歳) 1,750kcal 2,050kcal 2,350kcal
50~64(歳) 1,650kcal 1,950kcal 2,250kcal
65~74(歳) 1,550kcal 1,850kcal 2,100kcal
75以上(歳) 1,400kcal 1,650kcal

ただしエネルギー必要量は、体格(身長・体重)によっても異なります。従って同じ年齢区分だからといって、このまま鵜呑みにすると、体重増加もしくは減少する可能性があります。大事なことは、普段の食事をある程度一定にしながら体重変動をこまめに見ることです。


Q:体重を減らすためにお勧めの食材はあるか?と良く効かれますが、管理栄養士さんの視点で、ありますか?

A:食事をすることは基本的にエネルギーバランスではプラスなので、栄養バランスを保ちつつカロリーの少ない食品を見つけることが大切です。たとえば肉類なら脂身が少ないものを選ぶ、料理なら揚げ物よりも焼き物を選ぶなどでしょうか。(例:パン粉をつけて揚げる→パン粉をつけて少ない油で焼く)


Q:体重管理のために「食事を1食抜いています」という患者さんがいますが、どうでしょうか?

A:結論的には、あまりお勧めしません。
1食分のカロリーを摂らないことになるので、一見すると容易に体重が落ちるように見えますが、実際は抜いていても苦労している方が多いようです。
また、カロリーだけでなくたんぱく質やビタミン・ミネラルなどその他の栄養素も摂れません。
人によっては、1食抜くことで却って次の食事量が増えてしまったり、気づくとダラダラと何かをつまみ食いしている方もいらっしゃいます。人間の身体はエネルギーを獲得することや保存することに長けていますが、消費することにはやや億劫な側面があります。食べないということは非常事態と捉え、次に何か食べたときには、そのカロリーを必死で取り込もうとするため却って太ることが多いようです。


Q:仕事で、平日の夕食が21時を前後という患者さんがいますが、食事の工夫はありますか?

A:遅くまでお仕事おつかれさまです。お昼ご飯の時間にもよりますが、空腹時間が長くなると、何を食べても美味しく感じ、ついついご飯やおかずをいつもより多めに食べたり、「おそくまで頑張ったご褒美」ということで食後に甘い物に手が伸びがちです。それを控えるためにも、可能であれば18時くらいにおにぎりを1つ食べることをお勧めします。家に帰ってからは、できるだけ消化のいいおかず(揚げ物・炒め物を避ける)を摂取するようにしましょう。食後のデザートは控える様にしましょう。


Q:ポテチとコーラ、夏のアイスクリームがやめられない患者さんへのアドバイスはありますか?

A:ポテトチップス、コーラ、アイスクリーム、どれも美味しくて食べたときに幸せを感じますね。絶対に止める必要はありませんが、それはあなたにとって本当に必要な食品でしょうか?それらはあなたの身体をつくる上で、大切な栄養素をもたらしてくれるものでしょうか。
どれも少量なら大きな影響はありません。食べる量に気を付けましょう。おやつは1日合計100kcal程度を目安にしましょう。


Q:日常生活でのカロリー摂取の落とし穴?気を付けた方がいいこと?など

A:『ヘルシー』というイメージで食べているものはありませんか?たとえば豆腐や豆乳など、イメージで大豆製品を積極的に摂取されているケースを見かけます。確かに大豆は糖質・タンパク質・脂質をバランスよく含む食品ですが、同時にカロリーも比較的高い食品です。摂りすぎに注意です。
またミキサーを用いて野菜や果物をジュースやスムージーにして摂取されている方も多いようです。ビタミン・ミネラルが効率的に摂取できますが、同時に多量に摂れてしまうといった落とし穴があります。とくにカリウムという栄養素は、多量に身体に入ると心臓への負担が心配されます。大きなコップ1杯ではなく、小さめのコップで少量飲むようにしましょう。また入れる野菜を緑黄色野菜(切断面が濃い色の野菜)ばかりにならないようにしましょう。


Q:お菓子をやめて、果物に変えたらいいですか?

A:果物も比較的吸収の早い糖をもつ食品です。ただし、お菓子に比べるとビタミンや食物繊維を摂取することが可能です。分量に注意して摂取するようにしましょう。目安は1日に100~150g程度です。(糖尿病がある方は少なめにしましょう)バナナなら1本、リンゴは1/3~1/2個、みかんは2個程度です。


Q:体重管理に挑戦して、リバウンドを繰り返す患者さんへのアドバイスはありますか?

A:頑張って結果を出すと、つい『ご褒美』が欲しくなりますね。ご褒美を「好きな物を好きなだけ食べる」とすると、リバウンドを生じやすくなります。
また、食事制限だけで体重の減量を行うこともリバウンドしやすくなります。
エネルギーをマイナスにする方法は食事を減らすことだけでなく、『身体を動かすこと』でもできます。特別な運動をする必要はありません。1日10分でも歩くことからはじめませんか。


Q:簡単にできて、美味しくて、体にいいレシピを2つほどご紹介頂けると助かります。

A:電子レンジレシピと展開のきく簡単レシピを用意しています。
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