がん診療センターについて

はじめに

 がんは本邦の死因の第一位です。当院は2021年4月に国の地域がん診療連携拠点病院に認定され、さまざまながんに対して診断から手術、抗がん剤、放射線、緩和ケアまでしっかりとした体制でがん診療をおこなうべく病院全体で取り組んでいます。

センターの体制

がん診療センター

   
がん相談支援センター がんゲノム診療科 緩和ケアセンター

 がん診療センターは、がんと診断されたときから患者さんの相談に寄り添えるようがん相談支援センターと、院内でがんの診断・治療に携わる診療科および緩和治療にも対応できるよう緩和ケアセンターを設置しています。また、最近がんの診断・治療において著しい進歩を遂げつつあるがんゲノム医療に対応すべくがんゲノム診療科も設置しています。

当院のがん診療について

 我が国に多い消化器がん(胃、大腸、肝胆膵)、肺がん、乳がん、腎・前立腺がんを中心に、手術、抗がん剤、放射線による標準的治療を全般的に実施しています。

手術治療

  • 乳がんの手術件数は県内で最も多く、乳腺専門病理医も在籍しており、近畿圏を中心とした近隣施設から診断困難症例が多数紹介されています。形成外科とも協力し、腫瘍切除と同時に行う自家組織乳房再建術(一次再建)を積極的に行っています。
  • 以前から消化器がん(胃・大腸・肝胆膵)、肺がん、前立腺がんに対して鏡視下(内視鏡)手術をおこなってきましたが、2015年から導入したダヴィンチによるロボット支援手術を前立腺、腎、直腸、肺手術において積極的に導入しており、これらの低侵襲手術により患者が早期に社会復帰できるよう取り組んでいます。
  • 脳腫瘍手術については、2018年9月に、県内で最初に最新型手術顕微鏡KINEVO900を導入し、高難度の頭蓋底腫瘍が安全・確実に全摘出可能となりました。

化学療法

 腫瘍内科、化学療法室が中心となり、外来および入院でそれぞれのがん治療ガイドラインに沿った抗がん剤治療をおこなっています。

放射線治療

 標準的放射線治療をおこなっています。骨転移により生じる痛みなどに対する緩和的放射線治療についても積極的に取り組んでいます。IMRT(強度変調放射線治療)および粒子線(陽子線)治療については、治療可能な病院に地域医療連携室を通してご紹介させていただいています。

緩和ケア

 がん診療において重要な柱である緩和ケアについても、緩和ケア専門医2名と、長年緩和医療に従事してきた精神科の医師を中心に、心身両面から緩和医療をおこなっています。

その他

希少がんについて

国立がん研究センター内、希少がんセンターホームページに記載されている希少がんのうち、当院で対応していないがんについては適切な病院をご紹介しています。
(希少がんセンターホームページ: https://www.ncc.go.jp/jp/ncch/division/rcc/index.html

AYA世代のがんについて

 AYA世代と呼ばれる15〜39歳は、学生の方や就職をひかえている方、恋愛や結婚、出産など様々なライフイベントが集中する時期です。「がん」という病気を抱え、生活と治療のバランスのとり方、将来に対する不安や孤独を感じている方も少なくないと言われています。当院では、様々な職種で構成されたAYA世代支援チーム(医師、看護師・薬剤師・医療ソーシャルワーカー・地域連携室・医療支援室)を立ち上げ、AYA世代の方への多岐に渡る不安や困りごとを支援できるよう、AYA世代支援チームやがん相談支援センターが中心となり取り組んでいます。

婦人科がんについて

 当院で診療をおこなっていない子宮がん、卵巣がんなどの婦人科がんについては、近隣の病院(神戸赤十字病院、神戸市立医療センター中央市民病院など)の地域医療連携室を通してご紹介させていただいています。

医師・スタッフ紹介

   
がん診療センター長 藤本 康二 副院長、消化器外科部長
がん相談支援センター長 藤本 康二 同上
がん相談支援センター 安藤 公子 がん看護専門看護師
がん相談支援センター 原田 かおり 医療ソーシャルワーカー、公認心理師
がんゲノム診療科科長 結縁 幸子 乳腺科医長
がんゲノム診療科医長 田中 康博 血液内科医長
がんゲノム診療科看護師 高岡 貴子 乳がん看護認定看護師、がんゲノム医療コーディネーター
緩和ケアセンター長 山川 宣 緩和治療科特任部長兼科長
緩和ケアセンター看護師 沖田 知恵 がん看護専門看護師