緩和治療科の特徴

緩和治療科では、いわゆる「緩和ケア」を外来、入院の両面で行っています。

緩和ケアとは

「緩和ケア」から皆さんは、どのような言葉を想像されるでしょうか。
「がん」「末期」「もう何もすることがない」「痛みを取るだけ」…
歴史的に終末期ケアとして、このような働きが中心になっていた時代もたしかにあります。しかし、この20年あまりで大きく状況は変わっています。世界保健機関(WHO)も、緩和ケアは疾病の早期から併用すること、そして予防の観点も重視しています。
特に、がんにおいて、診断されたときから緩和ケアを併用した方が、普通の診療をうけた場合とくらべて数ヶ月も寿命が延びたという発表(Temel JS et al. Early Palliative Care for Patients with Metastatic Non–Small-Cell Lung Cancer. NEJM. 2010; 363:733-742)は世界的に大きなインパクトを与え、緩和ケアに対する見方を180度転換させました。
現在、「緩和ケア」はより長く、よりよく人生を過ごすために必要な医療の一つ、となっています。

緩和治療科の体制

2018年度からは医師二人態勢となり、より充実した緩和ケアの提供を目指しております。

外来診療:緩和治療科外来

外来には次のような方々が、おおむね1〜2回/月の間隔で定期的に受診されています。(疾患は、がんに限定していません)

  • 治療科から依頼をうけ、外来通院中の症状緩和を依頼された患者さん
  • 入院中に、サポートチーム介入依頼があり介入を開始し、退院後も継続介入する患者さん
  • がんの治療早期から継続診療している患者さん

通院負担軽減のため、依頼元の科の受診日にあわせて受診いただけます。

入院診療:サポートチーム(治療・生活サポートチーム)/せん妄対策チーム

近年の非がんへの緩和ケアへの要請の高まりを受け、がん療養サポートチームの名称を、治療・生活サポートチームへと変更いたしました。また、緩和ケアの中でも需要の高いせん妄対応について、せん妄対策チームを別個に立ち上げ、より幅広い活動を行っています。

緩和治療科で行う主な診療内容

(1) つらい身体症状の治療・緩和
    1. 疼痛コントロール

つらい疼痛の緩和は、迅速さが求められます。そのため、必要に応じて、医療用麻薬・鎮痛薬を当科からも直接処方しています。

    1. その他の症状コントロール

食欲不振・口腔乾燥・皮膚症状・筋力低下・浮腫など多様な症状の訴え応じて、主治医と連携の上で治療の追加・変更を相談したり、症状緩和のための投薬やリハビリ・栄養指導をお勧めしたりしています。

(2) 身体症状以外にも様々な問題を抱えるがん患者とその家族の療養生活のサポート

介護サービス・訪問看護・訪問診療についての情報提供も行っています。
御家族のサポートとして家族面談も行います

緩和治療科をうけるには

入院・外来とも:主治医・担当看護師にまずご相談下さい。がん相談支援センター(1F)でもご相談できます(予約制)。

注:緩和ケア病棟はありませんので、基本的には当院に主治医がいる患者さんが対象となります。
他院に通院中などで当院に主治医をお持ちではない方、その他の事情がおありでしたら、がん相談支援センターでも相談を承っております。病院代表番号から、がん相談支援センター担当者におたずね下さい。

注:近隣の医療関係者の皆様が、緩和ケア上のご相談がある場合には、地域連携室にお問い合わせ下さい。

所属医師のご紹介

山川 宣 [緩和治療科 科長]
信州大学 平成12年卒業
取得資格
(専門医・認定医等)
  • 日本緩和医療学会 暫定指導医
  • 日本サイコオンコロジー学会認定 コミュニケーションスキルトレーニング ファシリテーター
所属学会
  • 日本緩和医療学会
  • 日本サイコオンコロジー学会
  • 日本死の臨床研究会
浅石 眞実 部長
神戸大学 昭和55年卒業
取得資格
(専門医・認定医等)
  • 日本麻酔科学会専門医
  • 麻酔標榜医
  • 日本緩和医療学会緩和医療認定医
所属学会
  • 日本麻酔科学会
  • 日本臨床麻酔学会
  • 日本小児麻酔学会
  • 日本緩和医療学会

研究活動業績

2018年 日本緩和医療学会

  • ポスター発表
  1. オピオイド誘発痛覚過敏2ヶ月のオピオイド使用中に、術中高用量レミフェンタニル・フェンタニルで発症した1症例
  2. S-1による高アンモニア血症が原因と考えられたせん妄症例
  • シンポジウム32 今晩どうする?せん妄対策道しるべ
    第2演台「せん妄治療」と「せん妄対策」の違いから今夜の道しるべを探る