耳鼻咽喉科 / 手術診療について / 鼻中隔矯正術

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鼻には右と左のあながあります。このあなの仕切りが、鼻中隔です。鼻中隔が曲がっていると左右どちらかのあなが詰まります。鼻中隔の曲がりは、薬では改善しないので、手術によって治療するほかありません。
鼻中隔の曲がりを治す手術を、「鼻中隔矯正術」といいます。鼻中隔矯正術は、鼻づまりの治療、いびき・睡眠時無呼吸症候群の治療のために行います。

  

 

検査

①CT

鼻中隔の曲がりの程度や下鼻甲介の大きさを確認します。

鼻中隔矯正術

②鼻腔通気度検査

鼻腔に空気がどれくらい通るかを測定する検査です。

 

治療

治療は手術のみです。
手術は、全身麻酔または局所麻酔で行います。
手術にかかる時間は麻酔の導入・覚醒を含めて約1時間です。
(ほかの手術により短縮延長します。)
左の鼻の中から手術を行います。鼻中隔の骨や軟骨を一部取り除いて、曲がっている鼻中隔をできるだけ真っ直ぐにします。手術時間は15分程度です。
出血を減らすために、サージセルという、時間がたてば自然と溶ける材料を挿入します。サージセルを鼻の中に入れても、鼻への圧迫はほとんどないため、鼻の痛みはあまりありません。
鼻中隔矯正術を行った場合、メローセルという圧迫用のスポンジを鼻内に挿入することがまれにあります。メローセルが挿入されている場合は、その圧迫により、鼻周囲や頭に痛みを感じます。メローセルは手術翌日に抜去します。

 

帰室時

帰室後は、ベッド上安静で、血中酸素濃度や心電図などのモニターを装着しています。最初は眠気がありますが徐々に回復してきます。術後3時間でベッド上安静は解除になり、これらのモニターもとりはずします。
手術直後はあまり出ませんが、2時間ほど経つと血液が混じった分泌物が喉の奥へ流れてきます。そのような分泌物は飲み込まず、口からそっと吐き出してください。出血を減らすために、サージセルという時間がたてば自然と融解する材料を挿入します。サージセルを貼付した場合、鼻への圧迫はほとんどないため術後の鼻の痛みは軽減します。

 

手術後の経過

手術によって、鼻腔粘膜が一時的に腫れたり、鼻腔内に血がたまったりする鼻漏がたまったままにならず鼻づまりや鼻みずの症状も改善します。

 

退院後の注意点

  1. 術後2週間は、出血を防ぐため、飲酒、喫煙、激しい運動、強く鼻をかむことは控えていただいています。
  2. 手術により、一時的に粘膜の腫れや血が付着するため、鼻つまりは術後1~2週間程度続きます。
  3. 術後は、術後2週間は、週に1回程度診察し、以後は、診察の間隔を長くして1,2回の診察を行います。鼻中隔に血がたまった場合は、処置をおこなうため、診察回数が増えることがあります。当院では、手術を受けられた方の診察をできるかぎり優先しますので、予約時間に診察することがほぼ可能です。
  4. 創部の改善まで、数回外来通院していただきます。

 

入院期間

快方の度合いによって入院期間がかわりますが、全身麻酔の手術で3泊4日、局所麻酔の手術は1泊2日(当日入院の場合)が標準的な入院期間です。(骨や軟骨を切除する手術であるため、全身麻酔下で行う場合は多いです。)

 

おこりうる合併症

1. 術中・術後の鼻出血

粘膜の切開を行うため、切開部より出血する可能性があります。

2. 痛み、はれ、発熱など

症状に応じて薬などで対応します。痛みは個人差があり、術後も継続する可能性があります。

3. 鼻中隔の穿孔

鼻中隔にあながあきます。自覚的な症状はほぼありません。

4. 鼻の変形(鞍鼻)

おこることはまれです。

5. 鼻中隔血腫

粘膜の下に血がたまった場合、外来で除去します。

  

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