消化器外科 / 大腸がんについて

大腸がんについて

 大腸は、結腸、直腸、肛門までの管状の臓器で、ここにできるがんを「大腸がん」と言います。できた部位によって、結腸がん、直腸がん、肛門管がんに分けられます。
 大腸がんになる割合は、50歳代から増加し始め、下血、便秘、腹部膨満などの症状で見つかることもあります。早期発見と適切な治療が重要となります。
 大腸がんの治療は、がんの部位や進行度により内視鏡治療・手術治療・全身化学療法・放射線療法などを単独もしくはうまく組み合わせて治療を進めていきます。

低侵襲手術への取り組み

腹腔鏡手術、ロボット支援下手術

 従来の開腹手術と比較して、腹腔鏡手術、ロボット支援下手術ともに、傷が小さく痛みが軽度で、手術後の回復が早い、手術中の出血量が少ないなどの利点があります。この手術法では輸血の確率は1%未満とされています。また、特にロボット支援下手術は、肛門に近い直腸の手術においてより有用であることから、緻密操作により神経温存を可能とし、術後の性機能温存、早期の回復が期待されます。2023年9月からは従来の直腸がんに加え、結腸がんに対してもロボット支援下手術を導入し始めております。


手術用ロボット(daVinci サージカルシステム)

経肛門的直腸間膜切除術(taTME)

 肛門に近い場所にできた直腸がんの患者さんでは、ご自身の肛門温存ができず、永久人工肛門になる場合があります。このような患者さんに対しては、腹腔鏡システムを応用し、肛門から手術を行う経肛門的直腸間膜切除術(taTME)を取り入れています。肛門の括約筋の一部を残すことで自分の肛門を温存し、永久人工肛門をでき得る限り回避することが可能となりました。(すべての症例で温存できるわけではありません)

拡大手術

骨盤内臓全摘出術

 進行がんでは、見つかった時点で周囲の臓器にがんが広がり、浸潤をきたした状態もあります。このような場合は切除不能と扱われることもありますが、当院では根治性が最も高い治療である切除を目標とし、化学療法、放射線治療など様々治療アプローチをして、完全切除を目指すあきらめない治療を心がけています。残念ながら合併切除を余儀なくされる症例では、可能な限りの機能温存を考慮した他臓器合併切除も行うことがあります。

がん以外、その他の対象疾患

  • 直腸脱
  • 消化管内分泌神経腫瘍(NET)
  • 消化管間葉系腫瘍(GIST)
  • 遺伝性大腸疾患

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