皮膚科 / 代表的な疾患 / 水虫
水虫とは?
水虫は、皮膚の表面の角質層にあるケラチンという物質を栄養源にしている白癬菌というカビの一種が皮膚の角質層に寄生し、繁殖を繰り返している病気です。
水虫は、足の裏や足の指の間にできやすいのですが、それは靴の中は汗で蒸れていて、高温・多湿と弱酸性の環境を好む白癬菌にとっては最適条件となっているからです。
水虫による皮膚表面の小さな傷から細菌感染を起こし、重症化することもあります。
爪白癬(爪水虫)
白癬菌が爪に寄生すると爪白癬(爪水虫)になります。
爪白癬は足の爪に罹患することが多く、爪が先端から白色ないし黄白色に濁ってきます。爪の下のほうがもろくなり、爪切りの先などで削るとぼろぼろの粉状に取れてきます。
さらに症状が進行すると、爪の下のほうが浮いてきて次第に汚れが溜まり、黒く変色してきます。
爪白癬自体はかゆみなどの自覚症状がないため、治療せずに放置している人も少なくありません。
しかし、長期に経過すると、爪は厚くなり、わん曲して喰い込んだり、反り返ったりして痛みが出てくることもあります。
水虫の治療
皮膚科では、白癬菌に対して抗菌作用を持つ外用薬主体の治療を行います。
爪白癬の治療
外用薬では爪の中にまで薬剤が浸透しにくいので、主に経口剤で治療します。
外用薬を塗るうえでの注意点
- お風呂上がりは、皮膚がやわらかくなっていて、薬の有効成分が浸透しやすいので、水分をよく拭き取って、皮膚が乾いてから外用薬を塗ると効果的です。
- 白癬菌の菌糸は症状の出ている患部付近だけでなく、周辺にも広がっていることがあるので、指全体から足の裏全体へと広めに塗るようにしましょう。
水虫を家族にうつさないために
水虫の人が素足で歩いたところ、例えば浴室の足ふきマットやカーペット、堀コタツの中、スリッパなどには白癬菌が潜んでいる皮膚の角質層がはがれ落ちています。
白癬菌自体の感染力はそれほど強くないので、皮膚に白癬菌が付着した人が誰でも感染するわけではなく、あまり神経質になる必要はありません。
しかし、このような場所を素足で踏みつけ、さらに足に傷がある場合や白癬菌を足に付着させたまま靴を履いてスポーツをしたりすると感染しやすくなります。
- スリッパは共用しないようにしましょう
- 浴室の足ふきマットはこまめに取替え、よく乾かしましょう
- 水虫の人の家族は靴下を履くようにしましょう
水虫を根治するために
水虫は治りにくく、再発しやすいと思われていますが、正しく治療すればちゃんと治ります。
水虫治療の基本は『かきくけこ』を守ることです。
- 水虫治療の5カ条
- 1.か=乾燥
通気性のよい靴を選びます。靴は毎日履き替え、前日の靴は中をよく乾かしましょう。 - 2.き=キレイ
毎日、石鹸で足全体を丁寧に洗いましょう。古い角質層を取り除き、清潔さを保ちましょう。 - 3.く=薬
医師の指示どおりに必ず毎日正しく使いましょう。 - 4.け=検査
症状が似ていても水虫でない場合があります。皮膚科の検査で正しい診断を受けましょう。 - 5.こ=根気
外用薬を使い始めて症状が軽くなっても、自己判断で中断してはいけません。
外用薬は少なくとも3カ月くらい根気よく毎日塗り続けることが必要です。
さらに爪白癬を伴っている場合には、治癒するまでに1年以上かかることもあります。