膠原病リウマチ科の特徴

膠原病リウマチ科


関節リウマチや膠原病患者は、近年増加の一途をたどり、わが国の関節リウマチ患者数は70万人、他の膠原病を合わせると200万人を超えると言われています。これらの疾患は病因が不明で障害は多臓器にわたりますが、近年の治療法の進歩は著しく、リウマチ専門医による総合的かつ専門的な診療が必須です。
神鋼記念病院膠原病リウマチセンターは2010年4月に設立され、リウマチ膠原病専門施設としては県内でも有数の施設に成長してきたと感じております。

当センターは、他科や地域と連携をとりながら、地域の膠原病リウマチ診療に貢献するのはもちろんのこと、臨床研究施設として国内外に新たな知見を発信していきたいと考えております。膠原病に対しては従来のステロイドホルモンを中心とする免疫抑制療法に加えて、難治性病態には免疫抑制剤を上手く組み合わせることで、副作用や合併症の少ない治療を心がけております。関節リウマチにおいては従来の「関節や臓器の機能を長らえる」から「関節や臓器の障害を起こさせない」という早期診断と早期治療による治癒(Cure)を目指しております。

メトトレキサート(MTX)を中心とした抗リウマチ薬(DMARDs)や生物学的製剤(インフリキシマブ、トシリズマブやアバタセプト、ゴリムマブ、セルトリズマブペゴル)、低分子化合物(トファシチニブ)による治療はもちろんのこと、新規治療や診断法を対照とした国内外での臨床治験や臨床研究にも参加、ご協力いただいています。新しい血液検査や画像診断(関節エコーやMRI、シンチなど)を行うことにより早期に、より確実な診断を目指しております。

また、関節リウマチや膠原病の患者さんの様々な病態に対し、併設の総合医学研究センター(膠原病リウマチ研究所)と連携し、新規バイオマーカーの開発や、遺伝子診断の実践を心がけています。最近の医学的知識や技術を駆使して、それぞれの患者さんに最適の「個別化医療」を実践することが我々の目標です。

代表的な疾患

関節リウマチ、シェーグレン症候群、全身性エリテマトーデス(SLE)、強皮症、リウマチ性多発筋痛症、皮膚筋炎/多発性筋炎、ベーチェット病、顕微鏡的多発血管炎、成人スティル病、IgG4関連疾患、乾癬性関節炎、脊椎関節症、多発血管炎性肉芽腫症、好酸球性多発血管炎性肉芽腫症、好酸球性筋膜炎、多中心性キャッスルマン病など
※詳細は『厚生労働省 難病情報センター』ウェブサイトをご覧ください。

診療体制

外来診療体制

初診外来は、毎日受け付けています。地域医療連携を通じてあらかじめ予約をしていただいております。外来混雑を避けるため、誠に申し訳ございませんが、紹介状のない患者様や当日飛び込みでの初診は基本的にお断りしています。

  • 生物学的製剤は本院プロトコールに基づいて、薬剤室、看護部との緊密な連携の下で施行しています。基本的に初回から外来化学療法センター(点滴製剤)やリウマチ膠原病外来(皮下注製剤)にて行っています。化学療法センターには腫瘍内科の医師が常時待機しており、緊急対応しています。
  • 超音波装置を膠原病リウマチ外来に常設しており、必要に応じて関節超音波検査が施行出来るようにしています。

入院診療体制

  • 責任病床12床で入院診療を行っています。担当医(研修医)と主治医によるグループ体制で診療にあたっています。1回/週のセンター長回診とチャートカンファレンスを中心として治療方針を決定しています。
  • 全身性エリテマトーデス、筋炎、血管炎などが主な入院対象疾患です。特にループス腎炎に対してはマルチターゲットセラピーとして、作用機序の異なる免疫抑制剤を組み合わせることで、副作用を少なく、効果的な治療を心がけています。また血管炎についてはシクフォスファミドや、リツキシマブを中心としてステロイドの早期減量を試みております。
  • 関節リウマチでは、レミケードなどの生物学的製剤について合併症リスクを考慮し症例によっては入院で行っています。初回のみ2泊3日入院とするケースや毎回2泊3日入院となるケースもあります。

膠原病・リウマチ教室について

膠原病・リウマチ教室は当院通院中の患者さん、入院中の患者さん及びご家族の方、他院で治療を受けている方など、さまざまな方にご参加いただいている教室です。
患者さまのご要望にお応えできるよう努めておりますので、テーマにしてほしい病気などがありましたらいつでもご連絡ください。
なお、当日のアンケートにもご意見をお待ちしております。参加費は無料です。事前予約が必要ですが、当日参加も受け付けておりますので是非、お気軽にご参加下さい。

第28回膠原病・リウマチ教室のご案内

日時
2020年2月1日(土) 午後2時~4時
演題 ①
「膠原病患者さんが気をつけるべき感染症」
演者
神鋼記念病院 膠原病リウマチセンター
向原 沙紀 先生
演題 ②
「関節リウマチとの上手な付き合い方」
演者
神鋼記念病院 リウマチケア看護師
神崎 令子
場所
神鋼記念病院 呼吸器センター管理棟大会議室
問い合わせ先
神鋼記念病院 膠原病リウマチセンター
担当:辻村
TEL:078-261-6711(病院代表)
※平日17時まで受け付け
FAX:078-261-3004
その他
※事前お申し込みが必要ですが、当日参加も受け付けております。
参加ご希望の方は上記問合せ先までご連絡ください。
※終了後すぐに、希望する医師と個別にお話しする場を設けておりますので、 ご希望される方は当日受付時に、お気軽にお申し出くださいませ。

所属医師のご紹介

熊谷 俊一 センター長
京都大学 昭和46年卒業
取得資格
(専門医・認定医等)
  • 日本内科学会認定内科医・指導医
  • 日本リウマチ学会専門医
  • 日本臨床検査医学会専門医
  • 日本アレルギー学会専門医
所属学会
  • 日本内科学会
  • 日本リウマチ学会
  • 日本臨床検査医学会
  • 日本アレルギー学会
  • 日本免疫学会
  • アメリカリウマチ学会
  • ヨーロッパリウマチ学会
  • 日本個別化医療学会
籏智 さおり 科長
神戸大学 平成9年卒業
取得資格
(専門医・認定医等)
  • 日本内科学会認定内科医・総合内科専門医
  • 日本リウマチ学会専門医・指導医・評議員 
所属学会
  • 日本内科学会
  • 日本リウマチ学会
  • 日本臨床免疫学会
髙橋 宗史 医長
広島大学 平成19年卒業
取得資格
(専門医・認定医等)
  • 日本内科学会認定内科医
  • 日本リウマチ学会専門医
  • 日本リウマチ学会登録ソノグラファー
所属学会
  • 日本内科学会
  • 日本リウマチ学会
西田 美和 医長
神戸大学 平成19年卒業
取得資格
(専門医・認定医等)
  • 日本内科学会認定内科医
  • 日本リウマチ学会専門医
所属学会
  • 日本内科学会
  • 日本リウマチ学会
吉田 克之 医師
山梨大学 平成24年卒業
取得資格
(専門医・認定医等)
  • 総合内科専門医
所属学会
  • 日本リウマチ学会
  • 日本内科学会
  • 日本感染症学会
天野 典彦 専攻医
札幌医科大学 平成25年卒業
取得資格
(専門医・認定医等)
  •   
所属学会
  • 日本内科学会
  • 日本リウマチ学会
向原 沙紀 専攻医
神戸大学 平成28年卒業
取得資格
(専門医・認定医等)
  •   
所属学会
  • 日本内科学会
  • 日本リウマチ学会
片山 素子 専攻医
川崎医科大学 平成28年卒業
取得資格
(専門医・認定医等)
  •  
所属学会
  • 日本内科学会
  • 日本リウマチ学会
米田 勝彦 非常勤医師
徳島大学 平成25年卒業 
取得資格
(専門医・認定医等)
  • 日本内科学会認定内科医
所属学会
  • 日本内科学会
  • 日本リウマチ学会

学会認定施設

  • 日本リウマチ学会教育施設
  • 日本内科学会認定医制度教育病院

診療実績

  • 外来患者数 約1500人/月
  • 入院患者数 約12名/日
  • 生物学的製剤(2018年3月時点) レミケード44名、エンブレル40名、ヒュミラ50名、アクテムラ34名、オレンシア98名、シンポニー40名
    シムジア14名、ベンリスタ1名、アクテムラ21名
  • 分子標的治療薬(2018年3月時点) ゼルヤンツ11名
  • 関節エコー件数 開設後のべ3837件(2017年4月~2018年3月 延べ383件)
  • 膠原病リウマチ科 診療実績(PDF:99KB)

膠原病リウマチ科に興味をお持ちの学生のみなさん、研修医、リウマチ専門医をめざす先生方へ

異国情緒あふれる港街神戸で膠原病・リウマチ診療をしてみませんか?
併設された研究所と連携して、膠原病リウマチ学や免疫学の進歩を実感してみませんか?
説明会や見学は随時受け付けていますので、事前にご連絡ください。

【お問い合わせ先】
担当:籏智 さおり
TEL:078-261-6711(病院代表)

神鋼記念病院を選んだ理由と働いてみての感想
(吉田克之 平成24年卒)

私は卒後8年目の医師で、リウマチ膠原病を学びに神鋼記念病院に2019年4月から赴任してまいりました。それ以前は埼玉の大学病院の総合診療科にて不明熱や原発不明癌、脳梗塞、感染症などをメインに診療をしておりました。不明熱をみる機会が多く、その中で膠原病疾患に興味があったため、総合内科専門医取得後、サブスペシャリティとして膠原病を選びました。すでに8年目ということで、大学病院での研修は難しそうだなと思い、市中病院を軸に探す中で、神戸市内で勤務歴のある先輩医師からこちらの病院を勧められ、当初は勢いで決めた部分もありました。

実際、この病院で約半年働いてみて、やはり、ここにしてよかったと思うことがいっぱいです。当初、市中病院ということで、症例数や重症度の面で大学病院でみるような経験ができないのではないかと思われましたが、常時20人弱の患者さんがいて、その中でも、全身性エリテマトーデスや皮膚筋炎、血管炎症候群、ベーチェット病、サルコイドーシスなどの新規患者がおられ、診断から治療に至るまで多数経験できたことは、研修としてはかなり満足しています。

さらに、関節エコーは入院患者のほかに週1回、検査として自身で施行する機会もあり、関節穿刺などの手技も経験しました。また、大学病院などでは、集中治療医にお願いするような循環、呼吸状態が不安定な症例も自身で管理をしたり、骨髄穿刺を自身で施行したり(血液内科医バックアップの元)、膠原病合併のがん患者や手術患者の管理を当該科と共にしたりと、膠原病以外の領域にも積極的に関わることができ、同時に総合診療医としても成長できていると思います。

初期研修・後期研修を終えて、さらなるステップアップを目指すには、非常に良い環境であると感じています。

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