研修医ブログ / 神戸マラソン ~現場の雰囲気を肌で感じて~
こんにちは。研修医1年目のNです。
今回は、11月16日(日)に開催された神戸マラソンで、当院の研修医が救護スタッフとして参加させていただいたので、そのことについて書かせてもらいます。
神戸マラソンは毎年11月頃に神戸で開催されるマラソン大会です。
神戸の中心地である三宮をスタートし、明石で折り返して再び神戸に戻ってくるコースで、今年は新たにumie MOSAIC(うみえ モザイク)がゴール地点になりました。
私たちはそのゴール近くの救護所にてランナーの方々の対応にあたりました。
まずは救護所の準備から。
初めは単なるテントなので、自分たちで道具や機材の配置を行っていく必要がありました。
「ケガの方は外で対応するから洗浄液やテーピングは外へ」、「筋肉痛の方にはストレッチスペースが必要だから椅子の間隔は広めに」、「脱水症は軽症から重症までさまざまなので、水分はベッド付近や入口付近などに万遍なく配置する」など数時間先の未来を想像して動く必要がありました。
レース開始後2時間を過ぎるころから、救護所も徐々に忙しくなってきます。
主な症状は、脱水や熱中症、筋肉痛、挫創などで、時間とともに低体温の方も増えていきました。
救護所には、足を擦りむいただけの方から意識レベルが低下しているような方まで、さまざまな状態のランナーが来られ、迅速な対応が求められました。
救急外来なら血液検査や画像検査を行い、点滴や薬での治療に移れますが、救護所ではそうはいきません。
まずは問診や簡単な身体診察で重症度を判断し、どんな対応が必要かを瞬時に決める必要があります。
また、行える処置は限られているため、患者さんの経過をしっかり観察し、必要であれば躊躇なく搬送を依頼する判断も求められ、かなり大変でした。
もちろん、大変だっただけではありません。
正直、初期研修医1年目の私たちにとって慣れない環境で迅速な診断・治療を行うことは難しかったですが、現場には私たち以外に看護師さんやトレーナーさんなど多くのスタッフがいらっしゃり、皆さんと連携することでなんとか対応することができました。
『チームワークを駆使して次々と来る患者さんに対応し、ランナーの方々から感謝されながら送り出す』この一連の流れを完遂したときには、得も言われぬ達成感がありました。
また、同じ救護所にいらっしゃった他院の先生からは、「災害などの現場でも、今回のように限られた物資・道具の中で緊急度を迅速に判断し対応することが求められる」と教えていただき、今回の経験が万が一の際にも必ず役立つと感じ、とても勉強になる1日でした。
話は変わりますが、空いた時間には他院の先生方だけでなく、看護師、救急隊、イベントスタッフなど他職種の方々、そしてランナーの皆さまともお話しする機会がありました。
普段あまり関わることのない方々からさまざまなお話を聞いたり、共通の趣味の話で盛り上がったりと交流することができ、非常に楽しい一日でした。
最後になりますが、今回の救護業務は、多くの方に対応する必要があり大変な1日でしたが、それ以上に自分の勉強になり、楽しむこともできた非常に良い1日でした。
皆さんも機会があれば、ぜひこのようなイベントに積極的に参加してみてください。
きっと有意義な時間を過ごせると思います。
来年も参加できないかなぁ~


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