検体検査室のご紹介
臨床検査技師
一般検査
一般検査室では全自動尿統合分析装置を用いて定性と沈渣を測定しています。
クロスチェックを行い、設定基準を超えた尿は遠心して詳しく鏡検しています。1日当たり250人前後の尿を測定していますが、現在20%ほどの鏡検率となっています。なかには異型細胞などの特殊な細胞が出ることもしばしばあります。スクリーニング検査としてより迅速に、より正確な検査結果を出すよう日々精進しています。
生化学・免疫検査
院内で実施している検査の多くは迅速検査項目となっており、精度管理を実施後速やかに臨床へ結果を返しています。
写真右上段の装置は生化学・免疫自動分析装置です。
夜間・休日時を含め24時間体制で2台運用しています。
写真右下段の装置は、グルコースおよびヘモグロビンA1cを測定する装置です。
実施している検査項目は以下のとおりです。
- 生化学
- 免疫(腫瘍マーカー)
- 内分泌
- 感染症関連
- 薬物濃度
血液検査
血液検査部門では、自動分析機を用いて凝固線溶検査8項目、血算・白血球分類を測定しています(右写真:血液自動分析機)。また、必要に応じて標本を作成し、顕微鏡精査を実施しています。この他に骨髄穿刺における骨髄標本作成、染色、鏡検報告を行っています。
現在、スタッフの内、3名が認定血液検査技師の資格を取得しています。
輸血検査
輸血検査部門では、安全性・効率性確保のために全自動輸血検査装置(写真:輸血検査機器)を導入し、緊急時にも迅速に対応すべく24時間体制で輸血関連の検査と輸血用製剤の管理業務を一括して行っています。
さらに、月1回開催している輸血療法委員会の窓口として、輸血専従の臨床検査技師が中心となり、輸血責任医師、認定輸血看護師とともに、輸血教育等、院内輸血環境の整備に努めています。
移植合同カンファレンスに参加するなど、各部門と輸血療法に関するあらゆる協議を行い、安全で適正な輸血療法の実施を目指しています。
主な業務内容
血液型検査 | 輸血で最も重要視されるABO血液型(A型・B型・O型・AB型)とRh血液型(Rh+・Rh-)を調べます。 |
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不規則抗体検査 | 過去の輸血や妊娠で作られる可能性がある赤血球に対する抗体(不規則抗体)の有無を調べます。 |
交差適合試験 | 患者さんの血液と、輸血用血液との適合性を確認します。 |
輸血用製剤の管理 | 赤十字血液センターへの輸血用製剤の発注や、輸血管理システムを利用した入出庫、在庫管理、輸血使用記録の管理を行っています。 |
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自己血の保管管理 | 当院では、輸血が必要な手術などで、あらかじめ患者さん自身の血液を計画的に採取しておき、必要になった場合に使用する貯血式自己血輸血を実施しており、その保管管理も行っています。 |
- 【その他の業務】
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- 輸血副作用発生時の対処
- 輸血前後の感染症検査の管理および検体保管
- 輸血情報の配信
細菌検査
細菌検査室の仕事は主に、感染症検査と院内(医療関連)感染対策に関する業務です。
感染症検査はいわゆる細菌学的検査を意味し、各種検体の迅速検査、塗抹検査、同定検査、薬剤感受性検査などです。
一般細菌の同定検査と薬剤感受性検査は、主に全自動細菌検査装置(写真:細菌機器)を使用しています。
また、検査担当者が検査中に病原体からの暴露を防ぐために、原則、検体処理は安全キャビネット内(写真:安全キャビネット)で実施しています。
当院細菌検査室は、日本臨床微生物学会など4学会が認定する臨床微生物研修施設(参照:日本臨床微生物学会ウェブサイト)です。
さらに、認定臨床微生物検査技師2名、感染制御認定臨床微生物検査技師2名が各認定を取得しています。
先生方に必要とされる検査室を目指しています。
院内感染対策に関する業務とは
ICT(感染対策チーム)活動の一環として、各種ラウンドに参加することでチーム医療の一員として活動しています。積極的に院内感染対策の活動に参加しています。
採血
中央採血室では検査技師が中心となって採血を行っています。朝の混雑時は4人で、その後は混み具合に応じて2~4人体制で、1日当たり300人前後を採血しています。
2011年4月から自動受付機、自動採血管準備システムを導入しました。整理券番号呼び出しによる患者プライバシーの保護や患者照合による患者間違いの防止が可能になり、より円滑に採血が行えるようになりました。
快く採血して頂けるよう日々努めています。
病理診断センター 病理室
病理室では、病理組織検査(生検、術材)、術中迅速検査、細胞診検査、剖検の介助等に関する業務を行っています。
標本の作製から染色、鏡検まで手作業ですが、診断結果を迅速かつ正確に臨床側へ報告できるよう努力しています。
また、乳腺センチネルリンパ節の術中迅速検査はOSNA法(2012年1月より実施)を用いて転移の有無を判定したり、バーチャルスライドスキャナーを利用して他病院とのコンサルテーションや院内講演会、勉強会など、新しい検査法にも積極的に取り組んでいる。他に自動免疫染色装置の導入(2014年9月)で、院内での免疫染色が可能になり、病理診断の迅速化に貢献しています。
2014年4月より病理診断センターを設け、同時に日本病理学会認定の研修認定施設も取得、病理室は病理診断センターの所属となり、病理診断センター長、病理診断科部長の指導のもとに臨床検査技師8名で業務を行っています。そのうち6名は国内、国際細胞検査士の資格を取得しており、乳腺、甲状腺の細胞診検査、気管支鏡検査、ERCPの検査の時は各診療科に出向き標本作成を行うなど、チーム医療に積極的に参加し、細胞診断精度の向上に努めています。また、当院は日本臨床細胞学会より課された精度管理を常に受け、細胞診実施適正施設として認定されています。