厚生労働省より国指定の「地域がん診療連携拠点病院」に指定されました。

 当院は令和3年4月に、厚生労働大臣から『地域がん診療連携拠点病院』の指定を受けました。 専門的ながん診療を提供するとともに、地域のがん診療の連携協力体制の整備やがんに関する相談支援情報の提供を担いながら、他の医療機関との連携と支援を相互に行いながら、地域全体のがん診療の水準を高めていきます。

令和3年4月1日、神鋼記念病院が国指定のがん診療連携拠点病院に認定されました。

 当院は、2011年(平成23年)に県指定がん拠点病院の認定を受け、以後、神戸医療圏(神戸市)のクリニック・病院からがん患者さんをご紹介いただき診療をおこなってまいりました。今まで神戸医療圏には、神戸市立医療センター中央市民病院、神戸大学病院、神戸市立西神戸医療センターの3施設が国のがん診療連携拠点病院として指定されていましたが、4月1日に、4ヶ所目の施設として当院が認定されました。

がん診療連携拠点病院等とは

 全国どこでも質の高いがん医療を提供することができるよう、全国にがん診療連携拠点病院が国により指定されています。令和3年4月1日現在、全国で405箇所の医療機関が指定されており、専門的ながん医療の提供、がん診療の地域連携協力体制の構築、がん患者・家族に対する相談支援及び情報提供等を行っています。

兵庫県のがん医療について

 兵庫県は、北は日本海から南は淡路島まで、気候も多様にわたり、県土面積は全国第12位に位置しています。県内のどこに住んでいても、患者やその家族が納得できる質の高いがん診療を受けられるよう、県内を10のがん医療圏域に分け、それぞれに拠点病院を指定しています(表1)。一方、人口については、瀬戸内海側の神戸圏域・阪神南圏域・阪神北圏域・東播磨圏域・中播磨圏域に集中しており、5圏域の人口の合計が県の人口の84%を占めています。神戸医療圏の人口は約152万人と全国の他の医療圏と比較しても非常に多くなっています。今後、当院は、神戸市立医療センター中央市民病院、神戸市立西神戸医療センター、神戸大学医学部附属病院とともに、人口約35万人を有する東神戸地域のがん診療により一層貢献してまいります。

兵庫県のがん診療連携拠点病院(10圏域)

当院のがん診療について

 我が国に多い消化器がん(胃、大腸、肝胆膵)、肺がん、乳がん、腎・前立腺がんを中心に、手術、抗がん剤、放射線による標準的治療を全般的に実施しています。なかでも、乳がんの手術件数は県内で最も多く、乳腺専門病理医も在籍しており、近畿圏を中心とした近隣施設から診断困難症例が多数紹介されています。形成外科とも協力し、腫瘍切除と同時に行う自家組織乳房再建術(一次再建)を積極的に行っています。また、以前から消化器がん、肺がん、前立腺がんに対して鏡視下(内視鏡)手術をおこなってきましたが、2015年から導入したダヴィンチによるロボット支援手術を前立腺、腎、直腸、肺手術において積極的に導入しており、これらの低侵襲手術により患者が早期に社会復帰できるよう取り組んでいます。脳腫瘍手術については、2018年9月に、県内で最初に最新型手術顕微鏡KINEVO900を導入しました。これにより高難度の頭蓋底腫瘍が安全・確実に全摘出可能となりました。
 さらに、がん診療において重要な柱である緩和ケアについても、緩和ケア専門医2名(浅石医師、山川医師)と、昨年4月に、長年緩和医療に従事した精神科の辻本医師を常勤医師として迎え入れ、心身両面から緩和医療をさらに充実させていきたいと考えています。

今後の取り組み

 がん患者さんとご家族にとってより活用しやすい相談支援体制の実現、小・中・高等学校でのがん教育講演、近隣の医療関係者の皆様と地域医療連携交流会、研究会・合同カンファレンスなどを通して積極的に情報交換をおこない、これからも神戸医療圏のがん診療に熱意をもって貢献していく所存です。何卒宜しくお願い申し上げます。

 先日、神戸市灘区で開業されている関本クリニック院長の関本剛先生に当院で講演(WEB)していただきました。講演タイトルは、「緩和ケア医の本気の終活」、先生の緩和治療への熱意と生き様についてお話しいただき、職員一同大変感銘を受けました。その講演動画を当院ホームページ内の「がんについて知る 市民公開講座」に掲載しています。お時間がございましたら是非ご視聴ください。