概要
総合医学研究センターについて
総合医学研究センターは2010年4月に創設された熊谷膠原病リウマチ研究所を母体とし、兵庫県や厚生労働省から研究所としての認定を受けました。2012年に血液疾患研究所が加わり、同年10月には文部科学省からも科学研究費助成事業の指定機関としての指定を受け、各省の科学研究費や各種研究寄附の申請や受託が可能となりました。2014年3月には第3の研究所である「器官組織病態研究所」が設立され、そこに耳鼻咽喉科研究部門「ENT Medical Lab」、循環器疾患研究部門である「Heart+1」、薬剤部の研究部門の「Laboratory of Clinical Pharmacy」、乳腺科研究部門「乳腺リサーチセンター」の参加を頂き4部門からなる研究所となり、各診療科や診療部との連携が加速されました。 センター設立の目的は、医学、医療の発展のため臨床医学研究を推進し、神鋼記念病院における高度医療・先進医療の支援や他施設との共同研究を推進するとともに、医師のみならず研究に興味を持つ職員の育成を目指すことにあります。文科省や厚労省科学研究費など公的研究資金獲得を目指すとともに、受託研究や外部委託検査の院内取り込みも行っています。特に造血幹細胞移植患者を主な対象として、血液や組織(腸管など)を検体とした網羅的ウイルスPCR法の確立は、国の認可に基づく先端医療とて取り組んできました。おかげで結果を論文公開し、2023年度に先進医療の終了報告を提出しました。早ければ2026年度にも保険収載される見込みです。研究室の整備や研究機器についても充実を図り、遺伝子検査、細胞培養、フローサイトメトリーなどに加え、マルチモードプレートリーダーやコンピューター支援型免疫蛍光顕微鏡システムなどの導入や更新を行ってきました。それに伴い神鋼記念病院自体も2021年より(国指定)地域がん診療拠点病院、2023年よりがんゲノム医療連携病院に認定されております。
研究所の人員も専任研究員(臨床検査技師)5名、事務員1名(兼任)を配置し、院内各分野や健診センターとともに、神戸大学、神戸薬科大学、京都大学など院外組織との共同研究も推進して参りました。コロナ禍が一段落した現在、院外共同研究や臨床研究の再開、研究活動の精励に注力していきたいと考えております。

本センターの目的
医学医療の発展のため臨床医学研究を推進し、神鋼記念病院における高度先進医療の支援や共同研究を行うとともに、医師のみならず研究に興味を持つ若手職員の育成を目指す
重点推進項目
- 膠原病リウマチの個別化医療の研究
- 造血器腫瘍及び類縁疾患を対象に遺伝子解析とその臨床応用の実施
- 感染症や自己免疫疾患の新規診断法の開発
- 耳鼻咽喉科疾患における新規治療や機能回復法の開発
- 心機能障害の診断法や予後予測、予防や治療の新しいアプローチ
- ボセンタンやタクロリムスの有効性/安全性の薬理遺伝学的研究
- 次世代乳がん画像診断法の開発、ICG蛍光法によるセンチネルリンパ節生検の長期予後と安全性、乳がんの局所再発や遠隔転移の抑制や治療に関する研究
総合医学研究センター長

総合医学研究センター長
有馬 靖佳
神鋼記念病院血液病センター長などを務める。神戸大学を昭和61年に卒業。日本内科学会認定内科医・指導医、日本内科学会総合内科専門医、京都大学医学部臨床教授、日本医師会認定産業医、日本血液学会専門医・指導医・代議員、日本造血幹細胞移植学会認定医・評議員などの資格を持つ。
組織図




機器一覧
オーダーメード医療室 | リアルタイム PCR システム StepOnePlus (Applied Biosystems 社) |
---|---|
遺伝⼦解析装置 i-densy(ARKRAY社) | |
自動核酸分離システム QuickGene-810 (KURABO 社) | |
極微量分光光度計 Nano Drop 2000 (Thermo Fisher Scientific 社) | |
サーマルサイクラ― Life Pro (Bioer Technology 社) | |
電気泳動装置 パワーパック Universal (BIO RAD 社) | |
ゲル撮影装置 Ez-Capture MG (ATTO 社) | |
フリーラジカル解析装置 FREE carpe diem (Wismerll 社) | |
ブロックバス HDB-105 (アズワン社) | |
プレート用遠心機 PlateSpinⅡ (KUBOTA 社) | |
冷蔵庫 1 台 | |
先進医療研究室 | 抗核抗体間接蛍光抗体測定装置 EUROPattern (EUROIMMUN 社) |
リアルタイム PCR システム LightCycler® 1.5 (Roche 社) | |
リアルタイム PCR システム LightCycler® 2.0 (Roche 社) | |
プレートリーダー Tri Star Multimode Reader LB942 (Berthold 社) | |
マイクロプレートウォッシャー ImmunoWash 1575 (BIO RAD 社) | |
自動核酸分離システム QuickGene-800 (KURABO 社) | |
微量サンプル分光光度計 NanoVue Plus (GE ヘルスケア社) | |
サーマルサイクラ― 186-1096J1 (BIO RAD 社) | |
安全キャビネット MHE-91AB3 (Panasonic 社) | |
オートクレーブ LSX-300 (TOMY 社) | |
微量高速冷却遠心機 MX-305 (TOMY 社) | |
ブロックバス BI-516S (アステック 社) | |
冷蔵庫 1 台 | |
フリーザ 4 台 | |
細胞治療室 | フローサイトメーター BD FACSCalibur (BD Biosciences 社) |
自動炭酸ガス細胞培養装置 WKN-9300EX (ワケンビーテック社) 2 台 | |
安全キャビネット MHE-91AB3 (Panasonic 社) | |
無菌接合装置 ME-SC203A (テルモ社) | |
液体窒素保存容器 | |
多本架冷却遠心機 AX-320 (TOMY 社) | |
卓上遠心機 | |
冷蔵庫 1 台 | |
フリーザ 2 台 |
主催講演会など(2024年度)
1.研究カンファレンス
- 2024年7月25日
- 総合医学研究センター 血液疾患研究所 高橋 隆幸
「サイトカインに関する誤解と臨床活用 ~ IL-6を中心に ~」 - 2025年1月23日
- 神戸大学医学部附属病院 臨床研究推進センター データサイエンス部門 特命准教授 今井 匠
「研究倫理を支える研究の科学性:臨床研究デザインと生物統計学の視点」
2.医療講演会 ~最前線の診療~
- 2024年5月23日
- 小川 晃平(消化器外科)
「肝移植医療をもっと身近に」 - 2024年9月2日
- 竹内 仁一(循環器内科)
「経皮的大動脈弁置換術に対する左室収縮能と長期予後の関係」 - 2024年11月28日
- 辻本 浩(精神科)
「今どきの職場におけるメンタルヘルスの基礎知識~医療者視点で 自身と同僚のために出来る事~」
規程関連
- 神鋼記念会における競争的資金等の適正管理に関する規程
- 総合医学研究センターにおける科学研究費助成事業-科研費-の研究実施規程
- 不正防止対策
- 業者