糖尿病・代謝内科の特徴
糖尿病は全身性疾患であり、病態や治療には社会的・心理的背景が深く関連するため、全人的診療が重要です。
そこでチーム医療による介入を行い、病診連携のもと、地域全体で包括的に糖尿病患者さんを診ていくことを目標にしています。
代表的な疾患
糖尿病について
どんな病気か?
糖尿病とは血液中のブドウ糖(血糖)濃度が正常より高くなり、その状態が続いてしまう病気です。
血糖が高いだけでは、症状が出ることはあまりありませんが、放っておくと合併症を引き起こす可能性があります。
原因は何か?
糖尿病になる原因には遺伝と環境の両方があると言われています。しかし、どちらの要素が強く影響しているかは、その人その人によって異なります。
つまり、家族歴のある人(身内に糖尿病の方がいる人)はもちろん、家族歴のない人も暴飲暴食や強いストレスが続くと糖尿病になる可能性があるということです。
診断方法は?
糖尿病かどうかの診断は簡単で、血液検査と尿検査を受ければ、その日のうちに診断がつきます。
中には何とも言えないタイプ(境界型糖尿病もしくは初期の糖尿病)と診断される場合があるかもしれません。そういう方は後日、さらに精密検査(ブドウ糖負荷試験;空腹時採血の後にブドウ糖を飲んで、その後数回採血をして血糖の変動を記録する試験)を受けていただき、正しく診断することが可能です。よく来院された患者さんから「以前”糖尿病の気(け)”があると言われたのですが…」という言葉を耳にしますが、”糖尿病の気(け)”という表現は正確ではありません。”正常”なのか”境界型”なのか”糖尿病”なのか正しく診断して、正しく治療することが大切です。
合併症って?
いわゆる3大合併症とは網膜症、腎症、神経障害のことをいいます。
しかし、それ以外にも糖尿病患者さんは、動脈硬化症(脳血管障害、心血管障害)や悪性腫瘍が発生しやすいといわれているので注意が必要です。合併症の診断・検査・治療については、他科の先生と協力して行っていくことになりますので、詳細については主治医の先生にご相談ください。
治療方法は?
糖尿病の治療はまずは、食事・運動療法が基本になります。
しかし、食事・運動療法だけでは血糖が下がらない場合や、血糖値が高すぎる場合は薬物治療が必要になります。最近新薬も登場していますので、治療薬について疑問点がある場合にはご相談ください。
さいごに
糖尿病はいわゆる生活習慣病の一つですが、「原因」のところでもお話したように、血糖が高くなる理由は患者さんごとに異なります。つまり「何が悪さをしているのか」は患者さんごとに異なるということです。
我々は「血糖があがる原因」を患者さんと一緒に考えながら、治療を行っていきたいと思っています。ぜひご相談ください。
診療体制
外来診療は、常勤医2名、非常勤医1名の合計3名で行っています。他科からのコンサルト、近隣医療機関や健診センターからの紹介患者さんも積極的に受け入れています。
入院診療は、主に常勤医2名で行っています。教育入院の患者さんに対しては、糖尿病ケアチームでカンファランスを開催し、療養を含めトータルに診療できるよう工夫をしています。
また合併症で緊急入院した場合には、早期診断・早期治療できるよう、他科との連携を密に行う努力をしています。
健康教室のご案内
糖尿病患者さんに対する教育入院を随時行っております。合併症の精査・治療法の見直しを同時に行うことができます。
定期的に糖尿病教室を開催し、外来の患者さんやご家族の方にも、糖尿病に関する新しい知識を勉強していただく機会を作っております。
詳しい日程については『糖尿病教室 予定表』にてご確認ください。
また平成23年2月17日、中央区医師会主催の「区民健康セミナー」で行った講演のスライドもご覧いただけます。
所属医師のご紹介
- 纐纈 優子 科長
- 徳島大学 平成13年卒業
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- 取得資格
(専門医・認定医等) -
- 日本内科学会認定内科医・指導医
- 日本糖尿病学会専門医・指導医
- 東京大学医学博士
- 所属学会
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- 日本内科学会
- 日本糖尿病学会
- 取得資格
- 木股 邦恵 医長
- 神戸大学 平成10年卒業
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- 取得資格
(専門医・認定医等) -
- 日本内科学会総合内科専門医
- 日本内科学会認定内科医・指導医
- 日本糖尿病学会専門医
- 所属学会
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- 日本内科学会
- 日本糖尿病学会
- 日本内分泌学会
- 取得資格