消化器外科 / 鼠径ヘルニアについて 

消化器外科TOPへ戻る

鼠径ヘルニアについて

 鼠径ヘルニアとは腹腔内容物(腸管や脂肪など)が腹壁に生じた欠損部を通じて皮下に飛び出してくる状態をいい、一般的に「脱腸」と言われるものです。

 鼠径ヘルニアは男性に多い疾患で、子供から大人まで幅広い年代で認められます。飛び出してくる場所によって下図のように大きく3つに分類され、腸などが嵌まり込んで戻らなくなる嵌頓(かんとん)の起こりやすさが変わってくるなどの違いがあります。

 

外鼠径ヘルニア・内鼠径ヘルニア・大腿ヘルニア


 多くの場合鼠径部の膨隆と違和感といった症状のみですが、時には痛みを伴うこともあります。自然治癒が望めないこと、前述した嵌頓のリスクがあること、放置すれば大きくなっていくことから、できるだけ早期の手術が必要となります。

 手術は小児の場合を除き、ヘルニアが起こっている部位を覆うように人工補強材(ポリプロピレン製のメッシュ)を留置して修復を行います。メッシュを留置する方法として以下の2つの方法があります。

①鼠径部切開法

古くから行われてきており、文字通り鼠径部の皮膚を切開して前方からアプローチする方法です。手術は腰椎麻酔もしくは局所麻酔下にて行います。鼠径部の切開創は4cm程で全身麻酔を必要としないメリットがあります。メッシュを留置する層の違いによって手術の方法が若干異なり、メッシュを使い分けます。

②腹腔鏡下手術(TAPP)

1990年に海外で初めて報告され、その後日本でも少しずつ普及してきています。全身麻酔下にてお腹の中に炭酸ガスを注入し、3つの小さな孔を開けて鏡視下にて手術を行います。鼠径部切開法とは異なるメッシュを使用します。ヘルニアの部位が直接確認できること、同じ創で両側同時に手術できること、一つの創が小さいため術後疼痛が少ないことがメリットとして挙げられます。逆に全身麻酔が必要であること、手術時間がやや長くなることがデメリットとなります。

 当院では患者様のヘルニアの状態や併存症の有無等から、総合的に判断して術式を選択しています。通常の待機手術であれば手術前日に入院して頂き、術後の経過が問題なければ、術後2日目に退院して頂いています。

 当院の手術件数は概ね年間150~170例前後で推移しており、これは神戸市内でも有数の症例数となります。2016年からTAPPを導入し始め、少しずつ数が増えてきています。患者様へのメリットも大きいことから今後更に増やしていきたいと考えています。

鼠径ヘルニアの手術件数

当科で治療をお考えの患者様へ

鼠径ヘルニアは外科疾患の中でも最も一般的な疾患で、鼠径部の膨隆が発見の契機となります。当院は治療経験も豊富であり、病状についての詳細な説明を行った上で患者様それぞれの状態に応じた最適な治療法を提案させて頂きます。もし、自分でヘルニアを疑うような症状がある方は、是非気軽にご相談下さい。

消化器外科TOPへ戻る