消化器外科 / 食道癌について

消化器外科TOPへ戻る

食道癌について

わが国では、年間約1万人の方が食道がんにかかります。50歳以上の男性に多く、喫煙・飲酒が原因といわれています。食道がんは悪性度が高いといわれていますが、人間ドック健診などで早期発見すれば治療成績は良好です。しかし食事のつかえなどの症状がでてから発見された場合にはすでに進行した状態であることが多く、手術を含めた様々な方法で治療する必要があります。

 食道の粘膜から発生したがんは、大きくなると深い層(外側)へと広がっていき周囲の気管や大動脈などへ浸潤していきます。また食道の壁内にあるリンパ管や血管にがんが侵入しリンパ液や血液の流れに乗ってリンパ節や肺などへ転移していきます。がんがどの程度広がっているかによって治療方針を決定することになります。

●内視鏡治療:がんが食道粘膜という最も浅い部分にとどまりリンパ節への転移のない早期食道がんの場合、内視鏡治療により粘膜切除を行います。消化器内科と連携して行います。

●食道切除術:がんがさらに深い層に及ぶ場合は食道切除術を行います。当院では2013年より腹臥位胸腔鏡下食道切除術を行い、現在ではほぼ100%の症例に採用しています。

※腹臥位胸腔鏡下食道切除術の特徴…従来の開胸手術に比べて創部が非常に小さく整容性に優れます。また腹臥位(うつ伏せ)になることで手術中の視野が格段に良好になるため安全性に優れます。術後の痛みや肺炎の発生頻度が減少するため、早期離床、早期退院が可能となりました。ただし進行度の高い食道がんや癒着(ゆちゃく)の強い症例では従来の開胸手術に移行することがあります。

腹臥位胸腔鏡下食道切除:ポート配置

●抗がん剤治療:高度に進行した食道がん症例では、手術に先立ち抗がん剤治療を行います。当院では抗がん剤治療専門医師により管理されたプロトコールに従って抗がん剤治療を行い、切除率と治療効果の向上を目指しています。

●放射線治療:食道がんは放射線治療の奏効率が他のがんと比べて高く、患者さんの状態に応じて放射線治療が選択されます。緩和的な治療のみではなく、根治目的での放射線化学療法も行っています。放射線治療科と連携し、放射線治療による副作用を軽減し高い奏効率を得ています。

このように、食道がんに対する治療では、内視鏡・手術(胸腔鏡)・抗がん剤・放射線といった様々な手法を用いた、いわゆる“集学的治療”が必要とされます。また手術により食道がん治療を終えた後も、耳鼻咽喉科、嚥下機能チーム(ST)、あるいは栄養サポートチーム(NST)が患者さん一人一人に的確なケアを行います。

兵庫県がん拠点病院である当院では、食道がんに関わるすべての治療を一つの病院内で完結することができます。当院の最大の特徴は、各科やサポートチームとの間の“横の連携”がスムーズである点にあります。それぞれの患者さんに、よりよい治療環境を提供できるものと確信しています。

消化器外科TOPへ戻る