整形外科 / 脊椎外科

 脊椎指導医が常勤し、あらゆる脊椎疾患に対応できる体制を整えています。2,500症例を超える脊椎手術の執刀経験から、セカンドオピニオンを含め、 手術時期や適応などについて分かりやすくご説明いたします。
 頸椎に対しては、基本的に前方からの圧迫には前方除圧固定術を、後方からの圧迫に対しては椎弓形成術(+後方固定術)を行います。また、当院は2020年7月より頚椎人工椎間板置換術を開始しており、前方固定術あるいは除圧術との併用(いわゆるハイブリッド手術)のプロクター施設に指定されています。
 胸腰椎に対しては、後方からの除圧(顕微鏡使用)に加え、必要に応じて(矯正)固定術を行います。
 特に全身状態の悪い患者さんや高齢者には、できるだけ低侵襲手術を行うことで、遺残腰痛/頸部痛の軽減、術後感染率の低下、出血量の減少を目指します。
 手術翌日からリハビリを開始し、約2週間でほとんどの患者さんが退院となります。

当院での手術方法の紹介

1.腰椎開窓術(片側侵入両側除圧術)

 片側のみを展開(筋肉を剥離)し、椎間関節を壊さないように骨に穴をあけます(椎弓の部分切除)。顕微鏡下に同側と対側の除圧を行います。正中の構造(棘突起列)を保持することで、低侵襲な手術となります。

腰椎開窓術(片側侵入両側除圧術)

2.腰椎後方除圧固定術(MIS-PLIF:mono-portal PLIF)

 片側のみ展開して、同側と対側の除圧を行います。椎間板を郭清し、cageを2ケ挿入、椎弓根screwで固定します。対側は展開せずに経皮screw (PPS)を用いて固定します。対側の展開や骨切除を行わないことで出血量が減少し、低侵襲な手術となります。

腰椎後方除圧固定術(MIS-PLIF:mono-portal PLIF)

3.頚椎人工椎間板置換術

 前方固定術は椎間本来の可動性を犠牲にするという欠点に加え、固定部の隣接椎間障害という問題があります。人工椎間板置換術は、椎間板を摘出した後に、可動性を有するインプラントを設置します。可動性を温存することで、隣接する椎間への負担を減らし、新たな障害発生を防ぐ目的で開発されました。平成29年に日本で承認され、実施することが可能となりました。承認に際し、日本脊椎脊髄病学および日本脊髄外科学会が合同で適正使用基準を作成しています。当院では2020年4月に実施の認可を受け、7月に1例目を施行しています。

頚椎人工椎間板置換術

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