病院長あいさつ
明けましておめでとうございます。
新型コロナウイルス(COVID-19)と対峙して3年近くになります。この間、重点医療機関として、肺炎外来とコロナ病床(14床)を運用しつつ、高度・急性期医療を継続してきました。がん・難病・高リスク患者さんが多い中、感染力を増幅したオミクロン株の院内感染対策では、職員の強い使命感とたゆまぬ努力により期待される役割を果たすことができております。
政府は2022年後半より政治・経済的観点から規制緩和を勧め、「コロナと共存」を表明し、世間も各分野で「3年ぶりに○○を再開した」との報道が盛んです。当然、地域医療構想も再開されます。2022年11月16日に広島都市圏で公立・公的・民間8病院を再編する予想を超える構想が発表されました。今後、民間病院が大都市圏の急性期医療で生き残るには、5疾病6事業で巨大公立病院と同等の実力・人材が不可欠となります。当院は人的資産の宝庫で、着実に治療実績を積み上げた結果、2023年1月1日に兵庫県で5病院目となる「がんゲノム医療連携病院」に認定されました。がん診療はゲノム解析に基づく個別化治療の時代となり、当院においても「がんゲノム診療科」を新設します。
当院では宍粟市波賀診療所への診療協力として、月8回以上の医師派遣を継続しています。少子高齢化社会における医療は、「疾患・臓器別専門性」のみではなく、「総合診療の知識・経験」に加えて、「病気ではなく病人を診るという『心』」が必須であり、へき地医療や地域医療の要である救急医療は医師に必要な修練です。このように地域性や医療需要等の医療環境の変化に対応しなければ医師も病院も生き残れない時代が来ています。
地域がん診療連携拠点病院の認定更新には医療機能評価取得が必須となりました。多種多様に変化する政策に迅速な対応が必要です。今年は働き方改革、医療機能評価再取得など様々な改革を行う重要な年です。職員が一丸となって重要な年を乗り越え、より良い医療の提供を目指します。
2023年1月 記
院長 東山 洋